私の夏

思ったことを日々淡々と綴ります

ニューヨーク

思ってもいなかった。

まさか泣くなんて。

 

ニューヨークに来て2日目。

エンパイアステートビルメトロポリタン美術館など色々回った。街を歩いているだけでNYにいることを実感できるくらい、マンハッタンは活気に溢れている。しかし感動を共有できる人間が近くにいないのは、なんだか寂しい。一人旅の方が自由に動けるから~と言う人をたまに見るが、自分はその類の人間ではないと実感する。また、エレベーターで一緒になっただけのフランス人に振り回されたり、ルームメイトのモデルしてるドイツの女の子の裸を危うく見そうになったり、非日常にハプニングが重なると脳は処理に時間がかかるらしい。昨日は丸太のようになって寝た。

 

今日は旅のメインであるブロードウェイでのミュージカル鑑賞。どうせなら1番のロングラン作品を観たいと思い、「オペラ座の怪人」を選んだ。ヘビーウェイトのTシャツにサンダルは場違いな気がしたので、行く前にドミトリーに寄ってからポロシャツに着替え革靴に履き替える。部屋に戻るとルームメイトのアルゼンチン人も化粧を直しドレスに着替えていたので、おそらく彼女もミュージカルを観に行くに違いない。外は湿度が高く風も強くなってきたので、折りたたみ傘を鞄に詰めてから出発しよう。

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終わった。想像以上だった。この感情をうまく表現しようとすると長くなるので割愛するが、本当にすごい。目の前で行われている壮大な演戯に自然と瞳孔が開き、耳を澄まし、鳥肌が立ち、心が揺さられ、目頭が熱くなる。誰かのブラボー!の声を合図に全員でスタンディングオベーション。観客の熱気はスイングガールズのだめカンタービレ以上だった。(上野樹里のファンというわけではない)立って拍手をするという動きに不慣れな僕も最大限の賛辞を送る。カーテンコール後はカップルが抱き合っていたりと、辺りが満面の笑みに溢れて劇場全体が幸せに包まれていた。

 

綾部がNYに拘る理由が何となく分かる気がする。歴史や文化は浅くても、夢追い人が世界から集まっているのがNYだ。その中でも人の心をこれだけ直接的に動かせる仕事は、他を探してもあまりないだろう。僕も将来そんな仕事をしたいと思いながら席を後にする。外は雨が降っていた。